1. HOME
  2. ブログ
  3. 運動感覚を鍛えてワンランク上の走りを探る練習。怪我を減らしスランプを抜け出す方法。

運動感覚を鍛えてワンランク上の走りを探る練習。怪我を減らしスランプを抜け出す方法。

陸上トラック競技は単純に言ってしまえば走るだけの競技です。
練習で走る距離やペースを変えても基本的には平坦な場所を走る反復した運動になりがちです。

しかし反復練習を否定するわけではなく、反復練習にも良いところはあります。
例えば、新しく取り入れたフォームを自分の走りに定着させるには反復練習が適している思います。

わずかに変わったフォームの変化を敏感に感じるには、いつもと同じ練習をしてフォームに集中することが効率的だからです。

反復練習のデメリットとしては、繰り返し同じ走りをすることで次第に動きに慣れていき、身体の同じ箇所ばかりを使う動きとなることです。
すると本来はもっとパフォーマンスを上げる動きがあったとしてもそれに気付くことが出来ません。

さらに同じ部位にばかり負担がかかると関節の摩耗や筋肉の一部に負荷がかかり、ケガに繋がることもあります。

これらを防ぐには、使う筋肉の部位を常に変化させるような不規則な運動のトレーニングを取り入れることが必要です。

今回は普段と違う感覚を身体に感じさせるトレーニングをご紹介します。

着地に変化を与えるクロスカントリー

長距離走の試合や練習では珍しくない自然の中を走るクロスカントリー。
トラックで平坦な場所を走ってばかりの陸上選手には走りの感覚を変えるトレーニングとしてクロスカントリーが有効です。
もちろん長距離走だけでなく、ダッシュで駆け抜ける短距離走にも当てはまります。

クロスカントリーはアップダウンがあったり、石や木の根っこで地面がボコボコしています。
そのため着地の際、足が外側や内側に傾きます。すると太腿の内転筋や外転筋、腹斜筋や腹筋、背筋などの体幹にかかる負荷の割合が平地とは異なります。
腕振りも左右でバランスが変わったり、振り幅や脇の開きなどにも変化があるかもしれません。

一つ一つはわずかな変化かもしれませんが、この変化が重要です。

例えば、
「いつも走った後は腿裏に疲れが集中するが、クロスカントリーではお尻やフクラハギ、腹筋にも疲れを感じる」
のように一点に集中していた負荷を他の部位にも分散することが出来ます。
身体の一部分だけ疲れるとケガのリスクも高く、疲れが取れにくいという特徴があります。

一部分だけが疲れる理由として、反復練習で動きがパターン化されてしまっているからです。

そのパターン化をクロスカントリーで着地の感覚を変えることによって外しているのです。
自然の中を走るクロスカントリーでは同じ着地感覚というのはありません。
つまりパターン化することがなく、常に運動感覚を鍛えることが出来ます。

筋肉と同時に運動感覚も鍛える

人間には姿勢の制御に関わる運動感覚があります。
転びそうになったから足を前に出す。身体が傾いたから手を横に伸ばしてバランスを取る等の感覚です。

この深部感覚を鍛えることによって、自分によりしっくりくる感覚を探ることが出来ます。

走りで言えば、
腕の振り幅、肘の角度を微妙に変えることで上半身のブレが収まる。
着地する瞬間に背筋を伸ばしたり、骨盤の傾きをわずかに意識すると身体が前に進む感覚がある。
など周りから見てもわからない感覚レベルのフォーム改善が出来てきます。

走りの上達は自分の感覚を研ぎ澄ませ、身体のわずかな変化に気付くことが大切です。

この運動感覚を鍛えるトレーニングは下記の条件です。
①常に感覚が変化する
②筋肉に不規則な負担がかかる
③身体が動きに慣れない

クロスカントリーは、着地の感覚が常に変化するため筋肉に不規則な負担がかかります。
デコボコ道に感覚を慣れさせるのは至難で、例えば目を瞑っていては走れません。

バランスボールやバランスボードを使ったトレーニング、パートナーを引っ張るチューブトレーニングなども上記条件に当てはまります。
しかしこれらも繰り返し何度も行うことで動きに慣れてくるので、慣れたら別の練習に切り替えていくという考えが必要です。

まとめ

普段使われていない様々な感覚を動員することで運動の正確性が高まり、自分の中で眠っている神経回路を開放していくことが出来ます。
これらは平坦な場所で走り続けていては気が付かない感覚です。

自分の中にはまだ使われていない機能がある、今は気付いていないもっと効率の良いフォームがあるはず。
このような向上心を持ち続けて、新しい感覚を追い求めていくのがワンランク上の選手には必要だと思います。

走りの感覚を変えるというのは気分転換にもなりますので、取り入れてみてください!

関連記事