筋肉を冷やすと温めるの違い。筋肉痛は冷やした方が良いのか?
筋肉を痛めた時、よく筋肉を温めろだの冷やせだの言われますが、その処置の違いは何なのでしょうか。
今回は筋肉を「温める」「冷やす」の違いについて見ていきましょう。
筋肉を冷やす
まず筋肉を「冷やす」とどのようなことが起きるのか?
筋肉を冷やすと血管が収縮するので、冷やしている部分への血液の量が減ります。その為、外傷の場合は冷やすことで出血量を抑えることできます。
また、冷やすことには炎症を抑える効果もあります。
捻挫や打身などの怪我は2日~3日は冷やして炎症が広がらないよう対処します。
要するに急性的な痛みには「冷やす」ことが有効となります。
では筋肉痛はどうでしょうか。
筋肉痛は運動で細かく傷ついた筋肉に血液が溜まることで痛くなります。では筋肉を冷やして血液が集まり過ぎるのを抑えれば良いのです。
そうすることで後で痛みを発しにくくなります。
しかし、「筋肥大には炎症反応も必要なので、早い段階で抑えてしまっては、筋肉の成長も抑えてしまう」と仰るのはボディービルダーのジャガー佐藤さん。
あくまでアイシングは痛みを抑える医療行為であり、筋肉を成長させるアスリートの考えとは合わない部分もありますね。
筋肉を温める
対して筋肉を「温める」とどのような効果があるのでしょうか?
筋肉を温めると血液の循環が良くなり、疲労が取れやすくなります。
先ほど捻挫や打撲は「冷やす」と言いましたが、怪我をしてから2日~3日は炎症反応を起こしています。つまり、血流量が増加し腫れている状態ですので「温める」のは逆効果です。
しかし、腫れが収まると、今度は慢性期に移行します。この段階では筋肉は硬くなり血流が悪くなっている状態ですので、今度は筋肉を温めて血流を良くし、十分な酸素と栄養が行き届くようにしてあげます。
まとめますと。捻挫や打撲、ギックリ腰などの怪我の急性期は「冷やす」。慢性期は「温める」ということです。
この急性期と慢性期のタイミングの見極めは以下の3点です。
①腫れが引いてきた
②触れても熱を持っていない
③冷やしてもこれ以上良くなる気配がない
冷やす温めるの代表的な方法
筋肉を冷やす
•ポリバケツに氷水を入れ、足や腕をつける。
•ビニール袋に氷水を入れ患部に当てる。直接当てると凍傷になるのでタオルなどを被せます。
•コールドスプレーの使用。しかし冷却効果は一瞬なので効果は薄い…。
•アイスラブゲルなどの冷却効果のある塗り薬。
温める
•浴槽に浸かる。
•カイロや湯たんぽを使って睡眠時も冷やさない。
•温湿布の使用。
•蒸しタオルを患部に巻きつける。上からビニールで覆うとなかなか冷えずに効果的。
まとめ
筋肉を冷やすと温めるでは効果が正反対です。逆の処置をしてしまうと治りが遅くなってしまうので注意しましょう。
一言で言えば「急性期は冷やす、慢性期は温める」の違いです。
筋肉痛を冷やすと筋肉が成長しないというジャガー佐藤さんの言葉もありますが、翌日が試合であれば話は別になりますし、常に自分で判断して処置が出来るようになることが重要ですね。