腕振りで上半身と下半身を連動させる。ランニングの基本
速く楽に走るには肩甲骨を意識して腕振りをする。
とは雑誌などでもよく言われていますが、肩甲骨を意識するとはどういう意味なのでしょうか。
一言で表すと、上半身と下半身を連動させて身体全体で走るということです。
実はこの連動をさせるために腕振りが重要な役目を担っているのです。
今回はランニングの腕振りについてご説明をします!
ランニングの腕振りは後ろに引く
短距離走の走りを見てみると手が目線の高さまで上がっています。これは腕を前に振った方が推進力で身体が前方に進むためです。
それではランニングの時も腕を思い切り前へ振った方が良いのかというとそうではありません。
腕を前へ高く振るという動作は当然、筋肉を使います。つまり数十分、数時間と大きい腕降りをしていると疲れがたまり、前へ進む推進力に対し割が合わなくなってくるのです。
それなのでランニングでは腕を前方に振るのは非効率と言えます。
では後ろに腕を振ることに対してはどんな意味があるのでしょうか?
ランニングで腕降りをする意味
冒頭で話した上半身と下半身の連動がここで繋がります。
まず肩甲骨を意識して腕を後ろに振ってみてください。肩甲骨が動きますよね。
今度は腕を前だけで振ってみてください。肩甲骨はほとんど動きません。
誰かに肩甲骨を触ってもらうとよくわかります。
動画:前半は後方での腕振り、後半は前方での腕振り。肩甲骨の動きに着目してください。
この肩甲骨が動くことに意味があり、肩甲骨が動くと骨盤に動きが連動します。
右腕を後ろに引くと、右側の骨盤が前へ出る。左腕を後ろに引くと、左側の骨盤が前へ出る。
これは人間の解剖学で証明されています。
つまり、腕を後ろに引くことで骨盤が前に出て、自然とストライド(一歩の歩幅)が大きくなるのです。
ちなみにフルマラソンで一歩が1cm伸びるだけで5km縮まると言われてます…!
まぁ実際はそんな単純なものではないですが、筋肉を使わず身体の連動を使ってストライドを伸ばすことは非常に重要なことです。
腕を前に振ると猫背になる?
腕を前に振って10km、20kmと走り疲弊してくると、段々と上半身が前へと倒れていき、猫背になっていきます。
猫背になると足が前に出にくくなり、膝から下の蹴りに頼る走りになります。
そうなるとフクロハギに疲れがたまり、マラソンでは攣って走れなくなるという事態になります。
⇒詳しくはコチラの記事「ランニングフォームの基本 胸を張って走る」
まとめ
腕を後ろに振ることの大切さについて書きましたが、マラソン選手を見ると前方にも腕を振っているじゃないか、と思いますが、あくまで筋肉を使って振るのは後ろだけという意味です。
筋肉を使って後ろに振り、力を抜いたから前方にも腕が振れているだけです。
腕を振り子として意識するとわかりやすいです。
まとめると、”長距離の腕振りは楽に後ろに振る”ということです。
⇒走りにデメリットを与える猫背を改善!胸椎ストレッチで即効矯正
非常にわかりやすくランニングフォーム動画解説