【一流選手比較】多田修平選手の鬼ピッチを可能にしているフォームを分析

日本学生個人選手権で追い風4.5mながら9秒94をマークした多田修平選手。
体重も66kgとスプリンターの中ではかなり華奢な体型です。
その華奢な身体で人並み外れたピッチを可能にしているフォームを分析していきましょう!

10.0〜10.1台の選手データ比較

選手名身長体重タイム歩数平均ピッチ平均ストライド
多田修平176cm66kg10.07(+1.8)47.3歩4.697歩/秒211.4cm
山縣亮太177cm70kg 10.00(+0.2)48.6歩4.860歩/秒205.8cm
桐生祥秀176cm70kg 9.98(+1.8)47.1歩4.719歩/秒212.3cm
ケンブリッジ飛鳥180cm76kg10.10(-0.2)47.0歩4.653歩/秒212.8cm
朝原宣治179cm73kg 10.02(+2.0)45.9歩4.581歩/秒217.9cm
末續慎吾178cm68kg 10.03(+1.8)47.0歩4.686歩/秒212.8cm
「2017年12月31日判明分 文:野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)」より引用

下記の2017ロンドン世界陸上の動画からフォームを分析していきます。

素早いピッチの理由 ①足をコンパクトに回している

他の選手との一番の違いは、膝を伸ばす瞬間がない足の動きです。

一般的には着地動作に入る前に膝を伸ばし始め、着地時はほぼ膝が伸びた状態で地面へと下ろします。

桐生選手
山縣選手
ケンブリッジ選手

多田選手は、着地動作に入る前も膝は曲げており、着地時も膝がかなり曲がっています。

足の動きというのは腰が軸となった円運動に近く、軸から足が離れれば離れるほど、足を回転させるのに大きな力が必要となります。

多田選手は膝を曲げて軸から足先がなるべく離れないようにしているため、並外れたピッチが可能となっています。

しかし、着地時に膝が曲がっていると腰の位置が低くなったり、膝を伸ばした瞬間の推進力を得られないなどデメリットも多い動きでもあります。
実はそのデメリットを打ち消す強みを多田選手は兼ね揃えています。

高い位置から足を振り下ろしている

次に特徴的なポイントは足を振り下ろす角度と高さです。
桐生選手と山縣選手と比較してみましょう。

一般的に着地動作というのは、重心より前にある足を重心まで引き戻すようにして着地をさせます。
そのため、鋭角の角度で足が地面に下りていきます。

しかし多田選手は足をほぼ真上から振り下ろすようにしています。まるで腿上げのような走りですね。

真下に足を下ろせば真上への反発を受けますので、これが多田選手の腰が高い理由です。

そして真上への反発をスイング足(着地していない側の足)で進行方向へのベクトルに変換しています。
このスイング足を凄まじい速さで持ってこれる多田選手だからこそ出来る足の動きですね。

おそらく他の選手が多田選手の走りを真似すると、上に浮いてしまう走りになってしまったり、ストライドが極端に短い走りになってしまうと思います。

華奢な身体でありながら一流選手の中でも腸腰筋が人一倍発達し、素早いスイングが可能な多田選手だからこそ出来るフォームだと思います。

かなり独特なフォームですので、体格が自分と似ているからという理由だけで真似するのはやめたほうがいいかもしれないですね。
ソースは私です。。

ただ個人的にはかなり好きな選手ですので2人目の日本人9秒台を達成してほしいですね!


※記事中の画像一部は下記動画から引用させて頂いております。
多田選手(チャンネル名:陸上魂 様)


山縣選手(チャンネル名:Doga TF 様)

桐生選手(チャンネル名:Doga TF 様)

ケンブリッジ選手(チャンネル名:Doga TF 様)

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ABOUTこの記事をかいた人

工夫を疎かにして努力に逃げるな。
学生時代は陸上部で毎日ひたすら走り込みをしていました。 しかし努力とは裏腹に記録が伸びず、「走ることは結局才能なんだ」と思っていました。 しかし大人になってから走ることを本気で研究。自分がいかに知識不足だったかを痛感。 今は週に1回程度の練習ですが、100mの自己ベストを更新し続けています。 この経験から私が学んだことは次のことです。
"上達するには努力ではなく工夫すること。 工夫を疎かにして努力に逃げた者は上達しない。 努力はみんなしている"
誰もが正しい努力を出来るように知識と考え方を多くのランナーにお伝えしていきたいと思っています!