3才から12才で子供の運動神経は決まる
3才から12才で運動神経が決まる
この言葉を聞いたことがある読者の方もいらっしゃるかもしれません。
これはもちろん身体的な意味もありますが、私は精神的な意味の方が強いと思います。
この言葉を言い換えると運動を好きになるか、嫌いになるか、それは3才から12才で決まるということです。
もし小学生卒業の時点で運動に苦手意識があれば、中学校で運動系の部活動に入る可能性が低くなるのは間違いないでしょう。さらに運動部に入部したとしても3年間続けられる子は極わずかだと思います。
3年間、運動部で活動し続けた子と、そうでない子の運動能力は雲泥の差です。
運動を好きになることさえ出来れば、誰でも運動能力を高めることが出来るのです。
当たり前ですが、運動が得意になる為には運動をさせることです。
だからと言って「外で遊びなさい」と強要すれば良いという訳ではありません。むしろそれは逆効果です。
子供は命令されることを嫌います。自主的に運動をしようと思わせることが大切なのです。
そして子供は自分の得意なことをやりたいと考えます。子供がある分野を得意と思うキッカケは周りの人から褒められた時です。
”褒める”は子供のモチベーション
実はこの「褒める」ということが出来ていない方が多いようです。
最近では自分の夢を子供に押し付ける親が増えてきています。夢を押し付けるあまり、子供への要求がより高いものになっています。
「今日のサッカーの試合での、あの蹴り方は全然ダメだ」
「あそこで疲れしまったのは体力が足りていない証拠だ。もっと練習をしなさい」
このように、子供なりに頑張ったことを認めることが出来ないのです。
親の立場からすれば弱点を指摘してより向上してほしいという想いから発した言葉なのでしょうが、それは子供からモチベーションを奪うだけの逆効果の言葉なのです。
子供は自分の弱点を指摘してほしいのではなく、自分の強みを褒めてほしいと思っています。そしてそれが子供のモチベーションアップに繋がり、自主的に運動に取り組もうとするのです。
最近は昔のように子供がやりたいことをのびのびとさせる環境ではなく、英会話やピアノ、水泳、サッカー、塾など子供の自由時間を習い事で埋めてしまうことの方が多いように感じます。
もちろん習い事は大切です。ある分野を特化させることは後々の大きな自信になります。
しかし、それは得意であることと同時に好きであることが必要です。
例えば週に1回、サッカーをクラブチームで嫌々練習している子供と、週に2回でも友達と放課後に好きでサッカーをしている子供では、どちらが上達するでしょうか?
答えはもちろん後者です。
さらにクラブチームに入っているにもかかわらず、好きでサッカーをやっているだけの子に負けてしまったら、それは大きな自信喪失になります。
習い事は子供へのプレッシャー
習い事をさせるということはそれだけ子供にプレッシャーを与えているということになります。プレッシャーがかかると子供はその分野から離れたいと思います。負けることを恐れるからです。
その為、習い事をさせるのであれば、まず子供にその分野を好きになってもらう必要があります。
サッカー、野球、バスケなどスポーもいろいろと種類がありますが、そのスポーツを何度練習しても上達しない子もいます。
しかし、それは才能がないという理由では決してなく、運動の基礎が出来ていないからなのです。
運動の基礎とは、走る、投げる、跳ぶといった動きです。これらの動きは全てのスポーツに求められます。
その中でも走るという全身の筋肉を使う動きが極めて重要となります。速く走れるということが運動の基礎能力を測るものさしになるのです。
基礎が出来ていなければ次のステップが出来ないのは当然です。
足し算が出来ない子がいきなり方程式の勉強をしてもついていけない理由と同じです。
基礎が出来ていれば次のステップに進むのは容易く、基礎が出来ていない子に比べて上達のスピードが格段に速くなります。
3才から12才の期間で子供に身に付けてほしいことは「速く走る」ということです。すなわち走ることが好きになるよう指導することです。
子供が速く走れない理由の多くは正しいフォームを知らないからです。ですから正しいフォームを教えてあげるだけですぐに上達します。
また、走りに関してはタイムという明確な上達指標があるので、子供も自分の上達を実感することが出来ます。
それなので最初だけこちらから指導をして子供が上達を実感すれば、あとは子供の方から「どうしたらもっと速く走れるの?」と聞いてきます。
その時、あなたに走りに関する知識がなければ指導することが出来ず、子供の運動能力向上のチャンスはそこで終わってしまいます。
次回から子供向けの練習記事を書いていきます。ぜひ、子供と一緒に学んで、実践してみてください。
そして多くの子供たちが運動を楽しいと感じてもらえれば幸いです。
第2回「3才から12才で子供の運動神経は決まる」フォーム修正編
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