ハードルドリル -空中でも重心は保ち、着地後は重心移動を素早く-
走るうえで重心を保つ(重心を安定させる)のは非常に重要です。それは足が着地している時だけでなく、両足が宙に浮いている時もです。
重心が保てていないと腰が引けた姿勢になり、後ろ方向にベクトルが向いてしまうデメリットに加え、離地の際の蹴りにも力が入りにくくなります。
しかし、重心を保てているかというのは走っている最中では自覚しにくいので、今回はハードルを使って重心確認をするドリルを紹介します。
ハードルドリルで重心確認①
まずハードルを等間隔に並べます。
それを足を揃えてジャンプ、開脚してジャンプで交互に飛び越していきます。
動きは動画で確認してください。
重心が乗っていない状態と乗っている状態の違いがわかりますでしょうか。
重心が乗っていない状態では後方に力が抜けてしまっているのがわかります。
次の一歩に進むためには当然重心を前に持って行く必要がありますから、着地時に後ろに行った重心を前に持ってくるまでにも時間がかかり、足が地面に着いている時間が長くなります。
着地の時間が長ければ長いほどブレーキになりますから、この重心問題を解決するだけでトップスピードが全く変わってきます。
続いて、重心が乗っている状態も見ていきましょう。
空中に浮いている時も含め常に重心が真下に向いているのがわかります。
これには空中でも姿勢が崩れないバランス感覚も必要です。
イメージはジャンプする時に地面からの反発を膝下だけでもらい、ガムシャラにジャンプしないことです。
空中でも体幹を意識して身体を前や後ろに倒れないよう維持します。
このドリルはハードルの間隔が広ければ広いほど、高ければ高いほど難易度が上がります。
100m10秒台選手は、ハードルの高さを最大の1.067mで行うようです。
ハードルドリルで重心確認②
次はジャンプでなく、ハードルに対し斜め横を向いて片足ずつ跨いでいきます。
まずは動画で動きを確認してください。
体幹が全くぶれていないのがわかります。
先ほどのジャンプドリルより簡単そうに見えますが、これがなかなか難しい…。
着地した瞬間に足に体重を全て移動させます。
これが出来ていないと反対足をただ着地させただけで、走りで見るとやはり離地までの時間が長くなってロスになります。
着地した瞬間にどれだけ早く体重全てを移動させられるかがこのドリルのポイントです。
下半身の移動に上半身が追い付いていないとこの動きは出来ません。
コツとしては足が着地した反発を腰で支えるイメージが持てるように素早く上半身から移動させることです。
まとめ
“重心が乗る”というイメージが持てるようになると普段歩いているときも重心を意識できるようになります。
走りとは右足左足への重心移動の連続です。重心移動をどれだけ早く行えるかは非常に重要な動きですので、ハードルを使ってどれだけスムーズな重心移動が出来るかを確かめてみてはいかがでしょうか。