大腰筋の伸長反射を利用して走る。100mの後半に強くなるトレーニング
走る動作において非常に重要な働きをする大腰筋。
主に腿を上げたり足を後ろから前方へ持ってくる時に使われる筋肉です。
大腰筋の位置はおへそのあたりから骨盤の下、太ももの付け根あたりにある筋肉で腸腰筋群の一つです。
位置を確認して頂くとイメージしやすいですが、足が地面に着地した時に伸びる筋肉で、足が上がった時に収縮する筋肉です。
↑右足の大腰筋が伸びている瞬間
↑右足の大腰筋が収縮していく瞬間
大腰筋の伸長反射を利用して走る
筋肉は勢いよく伸ばされる刺激に対して収縮する伸長反射という反射反応があります。
大腰筋の働きで言えば、足が着地して地面から離れるまでの間に大腰筋が目一杯伸ばされ、地面を離れた瞬間に大腰筋が勢いよく収縮。その収縮によって腿が素早く上がる仕組みが”大腰筋の伸長反射を利用する”ということです。
この大腰筋、鍛えれば鍛えるほど着地時に力強く伸ばされ、その分大きな反動となって腿が素早く上がることになります。
そのため特に短距離選手は大腰筋がよく発達する傾向にあります。
これはアサファパウエル選手と朝原宣治選手の大腰筋部分をMRIで撮った写真です。
パウエル選手の大腰筋が一回りも二回りも大きいのがわかります。
大腰筋が発達していると後半の走りが強くなる
アサファパウエル選手、ウサインボルト選手などジャマイカの選手は日本人選手に比べて後半の伸びが段違いに強いです。
一般的に100m走ではトップスピードになるポイントがスタートして60mあたりでそこからは段々と減速していきます。
しかしウサインボルト選手は90mまでスピードがほぼ落ちないという研究結果が出ています。
その要因の一つとして大腰筋の発達が挙げられます。
前述した通り大腰筋は足を後方から前方に持ってくる働きがありますので、その動きに注目してみましょう。
膝が伸びきることなく、前方に持ってきているのがわかります。
膝が伸びきると当然足が身体から離れますから、遠くにある足を前方に持ってくるのには大きな力が必要となります。
こうして大腰筋の伸長反射を上手く使ったフォームで余計なエネルギーを使わないため後半までスピードを維持できているのです。
日本人でも大腰筋の伸長反射を上手く使って走る選手がいます。
多田修平選手です。
多田選手は足が地面から離れた瞬間、前方に移動させていますので足がほとんど後ろに流れません。
華奢な身体で世界と戦える実力を持つ多田選手もやはり大腰筋が相当に発達しているのだと思います。
大腰筋の鍛え方
大腰筋は地面を蹴った後、足を後ろから前に持ってくるための重要な筋肉です。
つまり坂ダッシュや階段ダッシュでは足を前に持ってくる動きが必要になりますので大腰筋を鍛えるトレーニングにはモッテコイです!
家で鍛えるには下記のトレーニングも効果的です。
左右50回ずつ計100回を基本として行いますが地味に効いてきます。
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大腰筋は上半身と下半身を繋ぐ重要な筋肉でもあります。
走る上で様々なメリットをもたらす筋肉ですので、しっかりと鍛えて効率的な走りを手に入れましょう!