トップスピードを速くする腰の高い走りのフォーム。腰が低い原因は骨盤の後傾。
「腰が落ちてる」
「重心が低い」
「腰が引けてる」
このような指摘を受けた陸上部の方も少なくないはず。
腰の位置が低いとストライドが伸びずエネルギー効率が悪い走りとなっていまいます。
これは短距離も長距離も共通で腰の位置は高くキープして走った方がメリットを多く受けられるのも事実。
しかし、「腰を上げて走れ」と言われてもいまいちイメージができないですよね。
今回は腰が低くなる原因とその改善策をお伝えします。
腰の位置が低い走りとは。。
腰が低い走りと高い走りを比較した動画を作りましたので、ご覧ください。
つまり腰の高さは足の着地位置で決まっているということです。
重心から離れて着地足に斜めの角度がつけば、腰の位置が低くなるというのは当然ですね。
着地したときに膝が曲がって身体が沈み込むという理由もあるのですが、その膝の曲がりの原因も着地位置に起因します。
重心から前に離れて着地をすると、一瞬、太腿の前側で体重を支える姿勢になるため太腿に疲労が蓄積されますので、長距離選手にとっては致命的ですね。
また身体の前側での着地はブレーキになるので短距離選手にとってのデメリットも大きいです。
つまり、どれだけ重心の近くに着地をさせられるかでブレーキの大きさが変わってくるということですね。
ちなみに重心の真下で着地させると転びますので、正確には重心から半歩分くらい前が限界だと思います。
着地位置が重心から離れてしまう原因
一番の原因は骨盤の傾きです。
着地時に骨盤が前傾していると重心近くに足を引き寄せることが出来ます。
骨盤の後傾、前傾の違いは下図の通りです。
この骨盤の傾きが、足を振り下ろしたときの着地位置に大きく関係しています。
【骨盤後傾時】
【骨盤前傾時】
骨盤が後継していると足を後に振り切る動作がしにくくなり、着地位置は重心から離れますし、着地後も身体を押す力も弱まってしまいます。
しかし骨盤前傾にもデメリットはあり、着地前の腿を上げる動作がしにくくなります。
つまり常に骨盤を前傾させ続けるのではなく、着地動作に入るときに骨盤を前傾させるのが重要ということですね。
ただスプリント中に骨盤の前傾、後傾を繰り返して意識するのは無理なので、腿を上げる時は骨盤の意識はせずに腿を上げる意識、着地する時は背筋/骨盤を意識するくらいが良いと思います。
骨盤を前傾させるには。
骨盤の後傾/前傾は後倒れ/前倒れとも言われますが、要するに骨盤の傾きです。
背筋を伸ばす脊柱起立筋という筋肉も骨盤の前傾に関わっていますので、骨盤を前傾させる為に背筋を伸ばした姿勢を意識するというのは正解です。
凄くわかりやすい画像があったので引用させて頂きます。
引用元:陸上競技の理論と実践(https://sprint-condition.info/category32/entry323.html)
根本から骨盤を矯正させるには上記画像を参考に、骨盤の前傾に関係する筋肉を強化してもらうと良いと思います。
また、後傾に関わる筋肉が硬くならないようストレッチを行うのも効果的です。
もちろん意識だけでも骨盤の前傾は出来ますので、まずは立った姿勢から、次に歩行、JOG、流し、スプリントと段々とペースを上げていく流れで意識を持続できればと良いと思います。
歩き→JOG→スプリントで骨盤の前傾/後傾を比較した動画を作りましたので、ご覧ください。
こちらの動画で着地位置が異様に重心に近い選手の解説をしていますので、是非ご覧ください⇩