マラソン練習計画 【試合期-レース6週間前~2週間前-】
試合期が最も練習がハードになり、最も力をつける期間となります。
この試合期を乗り切るために今までの練習をしてきたと言っても過言ではありません。
前日までの疲労が抜けていないと足が重く感じ、練習メニューをこなしていくことが難しくなってきます。
そうなると負の連鎖でトレーニング計画が崩れます。試合期では今まで以上にウォーミングアップ、クールダウンを入念に行うことが大切です。
練習期の説明で少し触れましたが、坂ダッシュの前日には流しを入れてスピードに慣れさせておきます。
このような2日間をセットで考えることが試合期のトレーニング計画では求められます。
例えば、スピード系練習の翌日にスタミナ系練習を持ってくることで、疲労する部分を変えて疲労を残りにくくする。高い効果を得られる重い練習をこなすために前日は軽めの練習にする。などです。
スポーツに限ったことではないですが、練習方法には分習法と全習法の2パターンがあります。
ピアノに例えると分習法は、曲を部分毎に分けて反復練習をして、最後に部分毎を繋げて全体を弾く方法。全習法は曲の全体を反復して弾く練習方法です。
マラソン練習に当てはめるとペース走やジョギング、坂ダッシュなどほぼ全ての練習は分習法です。分習法は有効な練習方法ですが、その練習の意味を理解していないと効率の悪い練習方法となります。
今している練習は何のための練習なのか?これを理解することが試合期では強く求められます。
その為に全習法の練習も行い、今までの練習の意味を今一度理解します。全習法の練習とはつまりハーフマラソンなどの大会に参加する”練習”です。
下記に示す週末のロングジョグをハーフマラソン等のレースに変えて、本番のレースに備えるのは大変有効な練習です。
試合期では20km~30kmを目標のレースペースで走り切り、レース前に自信をつけることが最大の目的となります。
試合期 トレーニング計画例
【土曜日】90分ジョギング+100m流し3本
【日曜日】15kmペース走(1kmラップ5分40秒ペース)
【月曜日】休養
【火曜日】90分ジョギング
【水曜日】60分ジョギング+100m流し3本
【木曜日】坂ダッシュ100m×7本
【金曜日】休養
【土曜日】90分ジョギング+100m流し5本
【日曜日】120分ジョギング
【月曜日】休養
【火曜日】90分ジョギング
【水曜日】60分ジョギング+100m流し3本
【木曜日】15kmペース走(1kmラップ5分40秒ペース)
【金曜日】休養
【土曜日】60分ジョギング+100m流し3本
【日曜日】20kmペース走(1kmラップ5分40秒ペース)
【土曜日】150分ジョギング
【日曜日】3kmペース走×5本(1kmラップ4分15秒ペース)
【月曜日】休養
【火曜日】90分ジョギング
【水曜日】60分ジョギング+100m流し3本
【木曜日】坂ダッシュ100m×10本
【金曜日】休養
【土曜日】90分ジョギング+100m流し3本
【日曜日】20kmペース走(1kmラップ4分15秒~4分30秒ペース)
【月曜日】休養
【火曜日】90分ジョギング
【水曜日】60分ジョギング+100m流し3本
【木曜日】15kmビルドアップ走(1kmラップ5分40秒ペース)
【金曜日】休養
【土曜日】60分ジョギング+100m流し3本
【日曜日】30kmペース走(1kmラップ4分15秒~4分30秒ペース)
サブ3のメニューに初めてビルドアップ走が取り入れられます。もちろん余裕があればサブ4目標の方も取り入れてもらって問題ありません。
ビルドアップ走とは徐々にペースを上げて走る練習です。
例えば、目標のレースペースが1km4分15秒の場合。1km5分ペースから初めて、最後はレースペースよりも早い1km3分50秒程度まで上げていきます。
実際のレースでは周りの選手に触発されて予想より早いペースになる可能性が大いにあります。ビルドアップは無理なくレースペースよりも早いペースを体感できる実践的な練習と言えます。
そのため、レースペースより速いペースになった時にフォームが乱れてしまうのであればビルドアップの効果が得られていないので、タイムを落とすか、距離を縮めるかの改良が必要となります。
試合期の後半では、長い距離のジョギングはオススメしません。翌週からの調整期はペースを上げて走ることが減るので、今のうちにレースペースを身体に覚えさせておくことが最善です。
それなので60分ジョギングなどでは、最後の1kmをレースペースで走ったり、流しを入れるようにします。
練習期で鍛えたこともあり、試合期で酷い筋肉痛を感じることは少ないと思います。
練習中はキツイと感じても身体へのダメージは意外と少ないので、試合期できっちりと走りこみましょう!
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